« 焼くな 埋ずむな 野にさらせ | トップページ | あをによし 奈良の都は »

ならまち散歩 若草山

 私はこのあいだ、11月10日のことだが、大阪駅のホームでJR奈良駅行きの電車が来るのを待っていた。朝の8時頃から20分間ほど、ホームに立っていたのだが、どこから人が湧いてくるのか、と思うほどにワサワサとホームは人であふれ、けれどじきに電車のドアに吸い込まれ、誰もいなくなったかと思うとまた人であふれ、の繰り返しを見ていると、この人たちがもっと地方に分散してくれればいいのに、などと思うのだった。

 さてその日は、友人のN さんが奈良を案内してくれることになっていた。「どこへ行きたいの?」と訊かれても、私はどこといって特に行きたいところがあるのではなかった。N さんとどこかぶらぶらするだけでいいのだった。だったら“ならまち”へ行きましょうということになった。

 ならまち、というのは私は初めてだ。京都 奈良の神社仏閣は中学校の修学旅行いらい幾つかは行ったことはあるが、ならまちははじめて。元興寺の近くの駐車場に車を停めていよいよ歩くことになった。

 しばらく歩いていると、奈良市杉岡華邨書道美術館というのがあった。杉岡華邨という人は、かなの書においては第一人者といわれており、文化功労者にして文化勲章をもらった人なのだ。どうして知っているかというと、この人が再婚した女の人(杉岡和子さん)が書いた『一旦辞するにあたり』という本を1年前くらいに読んだことがあったのだ。さっそく入館して見学することにする。 会津八一をテーマに入江泰吉の写真と華邨のかな書の合同展なのだが、書も写真も息をのむような美しさだった。

 またしばらく歩いて、「ならまちからくりおもちゃ館」へ行った。江戸時代の人々の手作りの品々の意匠には感動する。知恵の輪に挑戦したが歯がたたなかった。スタッフの人からやってもらうと、なぁーんだというものだけれど。

 そのおもちゃ館はもとは、あるお金持ちの別邸だったというが、茶人だった持ち主の趣味で二畳ほどの小さな茶室があった。欄間を見ると、茶の湯の湯呑み、茶筅、なつめ、炭かごなどが彫りこまれ、なんとまぁイキでハイカラで高尚なことかと感嘆する。奈良は千利休より百年も前から茶の湯が楽しまれていた、ときいて驚く。

 実は私は9日に五島を発ったのだが、その前日の8日土曜日に『人生の楽園』という番組を見た。その主人公は、若いころから茶道に魅せられ、先生の資格も取り、定年後に抹茶とお菓子を提供する店を開いたのだった。それを見て私は、「これからまたお茶の稽古を始めよう」、とまでは思わないが、時どき、ささっとお薄を点てて愉しむのもいいなー、と思ったのだった。茶道具はもう何十年もお蔵入りになっているのだ。

 その抹茶の店はこのならまちの界隈にあるのだと気がついて探してみたのだが、店の名前も覚えていないし、路地は入りくんでいるしで、あきらめざるをえなかった。あとで“ならまちお散歩ガイドマップ”を広げてみたら、ちゃんと載っていたのだけれど、なぜかその時は頭がまわらなかったのだ。

 家に帰って、もう一度『人生の楽園』のビデオを見た。店の名前は“喫茶去庵”(きっさこあん)というのだった。ダンディーなご主人と、しっかり者の奥様が店を切り盛りしているのだ。いつかまた、ならまちに行くことがあったら、ぜひ行ってみたいものだ。

 そのあとN さんは若草山へのドライブに連れていってくれた。 この項続きます、、、。

|

« 焼くな 埋ずむな 野にさらせ | トップページ | あをによし 奈良の都は »

「旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

「ならまち」って初めて知りました。
奈良には何度もお客さんの付き添いで行ってるのにね!(^-^;
ほんと昔の人の文化や知的水準の高さにはビックリです。
なにを観ても奥が深い感じがしますよね。
比べて現代の文化の薄っぺらいこと!
あ、自分が一番薄っぺらかったっす~w(゚o゚)w

投稿: 便利屋 | 2014年11月18日 (火) 18時26分

便利屋さま

ならまちは以前はさびれていたそうですが、
このごろまた復活したのだそうですよ。

観光地はどうしても名所旧跡を優先しますから、
細かいところまで足をのばせないですよね。

住むなら奈良や京都に住みたいなー、
なんて思いながら帰ってきました(-_-)

投稿: なぎさ | 2014年11月18日 (火) 19時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/76457/57979358

この記事へのトラックバック一覧です: ならまち散歩 若草山:

« 焼くな 埋ずむな 野にさらせ | トップページ | あをによし 奈良の都は »