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言いたい放題でもかわいい清少納言

 倉庫を整理していたら、次女が昔読んだらしいマンガが出てきた。これが実におもしろかった。『日本人なら知っておきたい日本文学』(蛇蔵&海野凪子 幻冬舎)

 中でも言いたい放題の清少納言には笑ってしまった。彼女はこんなことを言っているのだ。現代語訳でいうと、“田舎から手紙もらったって、なんにも得ることないんだから、みやげくらい付けなさいってのよね。こっちは貴重な都の情報送ってるんだから」とこんな調子だ。田舎といってもあの当時では、せいぜい上総の国くらいを指しているのだろうけれど、日本の西のはて、五島列島のことなど知っていたら、「えっ五島??ふん ド田舎ねっ」と一蹴されたことだろう。

 さてその五島だけれど、このごろ一段と人口減少が加速してきて、20年後には今の人口のおよそ半分になるだろうと言われている。しかも年寄りばっかり、と人ごとみたいに言うけれど、そのなかにこのワタクシもいるのだ、生きていればのことだけれど。

 さてつらつらと考えてみると、“春はあけぼの”や雪がひどく降った日に、御簾を高くあげて、皆からさすがね~とほめられた話など、教科書で習っただけで枕草子を読んだつもりでいたが、実は読んだことなどないのだ。

 で、図書館で借りて現代語訳をざざっと読んでみたら、これまたおもしろかった。“説教する人(お坊さんのことか)は話の内容はともかく、顔のいい人がいいわね。ルックスがよくないと話を聞いててもつまんない”といった発言もある。

 それから、呆然とするもの、として手紙(メール)の誤送信を挙げている。これは私なども一度ならずひやっとしたことがあるが、家族間だったので問題はなかった。長女の話では、同じマンションに住むママ友のあいだで、メールの誤送信がもとで、一家族が引っ越しをしていくという騒ぎがあったそうだ。さんざん悪口を書き連ねたそのメールを、こともあろうに悪口の御当人に送りつけてしまったのだ。

 枕草子ではまず怨霊とか物怪とかは出てこないので、清少納言は実にドライな人だったのかもしれない。それにしても千年前に生きた人が、現代に生きる我々と似たような考えをして、似たようなことで悩んだり苦しんだり、あぁ~シアワセとわが身の果報を喜んだりしているのを見ると、人間ってちっとも変わらないんだな~という感慨を持つのも、いとをかし、というところだろうか。

 

 

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