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トリジン って知ってる?

Pict0038 我が家の子供たちが高校を卒えてささっと家を離れてしまうと、あとに取り残された老人三人の暮らしときたらまるで修道院のように静かなもので、テレビといえばニュースと天気予報を見るくらいなものだった。とはいっても修道院など見学したことはないので、実際のところはわからないのだが、、、。

 ところが息子の一人が家に戻ってきて、お笑いの番組なども見るようになると、たまにはアハハと笑うこともあるようになったのだった。

 この暮れから正月にかけて、私はなんどM-1を見たことだろう。息子や娘たちが一人また一人と時間差をつけて帰ってきては「今年まだM-1見てなーい」と言いながら録画を見る。友達が遊びに来てはまたいっしょに見る。私はまるでスナックのママみたいに、酒のつまみなど作りながらM-1を何度も見たのである。この頃の若いもんはごくふつうにお笑いを見るもののようだ。

 さて“M-1”というのはどういうものか。以前の我が家のようにNHKしか見ないのでお笑いなど見たこともありません、という方のために説明しよう。それは正式にはM-1グランプリというらしく、島田神助が企画し吉本興業主催の、いわば漫才の選手権大会なのだ。そしてお笑いで食っていこうかと志している若者にとってたいへん魅力的なことには、優勝者には1000万円その他が贈られのである

 2009年度の優勝者は『パンクブーブー』というコンビで、彼らの『陶芸家入門』はおもしろかった。さんざん入門したい旨を並べ立てたあとで「ここが自宅から一番近いんでー」という最後のオチにはつい笑ってしまったのだった。

 それで“トリジン”がいかなるものかというと、それは『笑い飯』(わらいめし)というコンビの二人が創案した、首から上が鳥で、下は人間という異形の架空の生き物なのだ。 で笑い飯が演った“トリジン”は島田神助くんがM-1史上初の100点満点をつけたりして最高得点を叩きだしたのだった。それでも優勝できなかったのは、M-1では演目が二本、秀逸でないとチャンピオンにはなれない仕組みになっているからである。つまり本選に残った10組の中から、まず三組が選ばれ、その三組が新たにネタを披露する。その中から選ばれた者がめでたく1000万円をゲットできるのだ。残念なことに笑い飯の二本目はイマイチだったために優勝をのがした。(と偉そうに書いていますが、WIKIPEDIAをちょこちょこ参照しながら書きました。)

 お笑いといえども一般教養がないと理解できないことも多く、私はトリジンの中で“マオウ”がわからなくて、これもネットで調べてやっと、そうか、シューベルトの魔王だね、とわかったのだ。それからまた、どういうつながりで魔王がでてきたのかとビデオを見直して、あーなるほどそうなのか、と合点がいったのだった。

 それやこれやでトリジンに気をとられて数日を過ごしてわかったことがある。それは、私はいつも「あー忙しい あー時間がない(自分以外の人のせいで)」とぼやいているのだけれど、お笑い関連で費やしている時間が結構長い、ということだったのでしたー。

 

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串を抜いてあげようか?

Pict0009  うちの下の娘は小さいころから愛想がよくない娘であった。親戚のばばさまなどから「おたくの○○ちゃんに会ったけれど、あっち向いてて挨拶しなかった」などと言われたものである。何故ちゃんとご挨拶ができないのだろう。むずかしいことではないのだ。この母のように、わ、うるさいばばさまが来た!と心の中で思っても、顔だけはにこやかに「おはようございます、今日はいいお天気ですね」と言えばいいのだ。

 それで娘に注意すると、ちゃんと挨拶した、と言うのである。まぁ、じゃ、それはタイミングが悪いんじゃないの?あちらがまだ遠くにいて、こちらに気がついていないときに挨拶してもわからないんだから、ちゃんと近くに来て、こちらを向いているときに 「おはようございます」と言うのだよ、、、とこまごまとこんな事をどれだけ言ってきかしたことだろう。

 今よりずっと若かった私は、ばばさまたちからクレームがくるたびに気にやみ、悩んだものだ。このあたりでは挨拶さへ人並みにやっておけば「なぎささんちの娘さんは実に申し分のない娘さん」で通るのに、だ。

 夫に、どうしてあの子は無愛想なのかしらねー、ほんとに世渡り下手なんだから、、、と言えば夫は言ったものだ。「気にしないでいいと思うよー、そのうち営業笑いでもなんでもするようになるさ。」 そして最近のことだが、夫の言っていたことが大当たりだ、ということが判明したのであった。

 娘は去年の春から社会人になり会社勤めをするようになった。暮れには我が家に帰省していたのだが、高校のクラス会があるというので、小さい頃から仲良くしている友達と出かけていった。その友達のママのKさんからあとでこんな話を聞いたのである。

 Kさんは言った。「うちの娘が言ってましたけど、おたくの○○ちゃんとっても変わったんですってねー。」

 「え~っ、どういうふうに変わったんでしょうかー?」と私は訊いた。Kさんが言うには、なんでもクラス会で、うちの娘はじつにフットワークよくてきぱきと動き、いろいろと人の世話を焼いていたそうなのである。そしてきわめつけは、友達に「食べやすいように(焼き鳥の)串を抜いてあげようか?」と言ったとのこと。

 それを聞いて私はアハハーと大きな声で笑った。Kさんも負けずに笑った。Kさんはうちの娘の人となりを小さいときから知っているので、笑う資格があるのである。うちの娘ときたら、人からサービスしてもらうのは当たり前と心得ていて、自ら体を動かし人様のお役に立とうとするなど、ちょっと信じがたい子だったのだ。

 あぁしかし、ありがたい事だ。親がどれだけ言ってもきかなかったのに、親の手の届かないところで、会社が世間様が社会の皆様が、娘を教育してくれているようなのだ。

 私は今でも時々この「抜いてあげようか?」を思い出すとおかしくなって、一人でクククと笑ってしまう。けれど昨夜テレビで、養老猛司さんが言っておられたが、小さいころ近所の人に挨拶することがどうしてもできなかったのだそうだ。人にはそれぞれに理由があるのかもしれない。

 近くの通学路に立って登校していく子供たちを見ていると、元気に挨拶する子もいれば、下を向いて恥ずかしそうにして通り過ぎていく子もいる。子供が明るくさわやかに挨拶してくれると、晴れやかな気持ちになっていいものではあるが、子供なりにあいさつができない理由があるのかもしれないと思ったことだった。

 

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もう木村さんったらー

Pict0015 無農薬 無肥料でのリンゴ栽培に挑んだ木村秋則さん関連の本はこれまでに三冊読んだことになる。一冊目は石川さんというライターが、木村さんのリンゴ園がある岩木山のふもとへ通い詰めて書いた『奇跡のリンゴ』。 二冊目は農家学者である木村さん自身が書いた『・・・』(誰かに貸したら戻ってこないので、題名がわからない) 三冊目はこれもまた木村さんが書いたものだが、とても異色な本で『すべては宇宙の采配』

 この本にはユウレイやUFOや宇宙人、はたまた臨死体験、それから木村さんをあの世へ送り届けてくれることになっている女の人の出現などがてんこ盛りで、これまでと全く趣の違う本なのだった。この本の波及効果は絶大なもので、私の日常生活に支障をきたすほどになったのだった。

 木村さんはリンゴ栽培で苦境にあったとき、出稼ぎでトラックの運転手をしていた時期があった。一人で深夜長距離を走っていると、ユウレイがトラックに乗り込んでくることは珍しくないそうで、運転手が集まるとユウレイ談義に花が咲いたりするのだそうだ。ある時木村さんのトラックにもユウレイが乗りこんできたのだった。

 ある夜のこと、対向車のトラックの運転手が急停車し、さかんに止まれ止まれこっち来い、と合図を送ってくるので、何事かと降りていくと、その運転手がこわばった顔で「お前よ、助手席になに乗せてんだ?」と訊いたのだそうだ。「・・・うん?誰も乗せてねぇけど・・・」と言いながら自分のトラックを振り向くと、なんと助手席に青白い巨大な三角おにぎりみたいのが、鎮座ましていたのだそうだ。

 で、この顛末は省略することにするが、それを読んで以来、私は困ったことに夜間外出ができなくなってしまったのだ。UFOや宇宙人はさほど驚かないが(それはまるで見当がつかないせいもあるかもしれないが)ユウレイだけはおよびでないのだ。

 正月休みのある日の夜、酔っ払っているムスコの友達をこのワタクシが家に送り届けることになった。友達を車に乗せると、ムスコはホンジャーと家の中にはいろうとした。こらー!引っ込むなー!一緒について行かなきゃだめじゃないのさ。まるで人けのない道を帰ってくる時、ユウレイが乗り込んできたらどうするのよ。ユウレイってドアをバタンバタンといわせることなくすーっと入り込んでくるそうじゃないの。

 そしてつい最近の夜のこと、私のメガネが行方不明になってしまった。メガネがなければ四年目に突入した十年連用日記も『はらたち日記』も書けやしないのだ。家中探したがどっこにもないのだ。そうだ、もしかしたら車の助手席かもしれない。バッグをボーンと置いたとき、はずみで下の方に落ちていったのかもしれない、、、。

 だけど外に出て車の所まで行くのは怖いよ~。それに助手席ってユウレイが好んで座るところなんだよ。もう明日にすれば~?なんて言って、誰も車のところまでついてきてくれるような親切な者はいないし、、、。とうとう諦めて、メガネなしでクチャクチャな字を書きなぐったのでしたー。そんなことでとても不自由を味わっているのですね。

 さてテレビに出ていた木村さんはあいかわらず歯の手入れはしない方針のようで、笑うとリンゴの芯のようなものが見えた。木村さんは神妙にしてかしこまっていたが、やはり畑でのびのびとしている木村さんのほうがステキ!だと思ったのでした。

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