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嫁を生きる

Pict0008  去年の秋も深まったころのこと、近くの図書館で古本まつりというのがあった。これは図書館が廃棄図書として処分する本や、家庭からもうイラナイといって持ち込まれた本を、タダでもらえる催しである。

 ちょっと見てまわっているうち、私は『嫁を生きる』という本に目がとまった。厚さが2.5センチほどもあるその本は伊吹仁美著、講談社刊であった。さぁこれを貰って帰ろうか、どうしようか。

 考えてみれば、 私はもうウンザリするほど長々と嫁を生きているのである。嫁の考えそうなことはもうぜぇ~んぶ聞かんでもわかっておりますよ。もうよそのうちのすったもんだまで追体験することはなかろう。要らない、と思った。

 このごろ、泉ピン子さんが姑役のドラマが始まった、と教えてくれた人がいる。おもしろいのよ~とその人は言った。けれど私は嫁姑の話は苦手だ。どうせ姑が次から次へと無理難題を持ち出し、それに若い嫁が、オロオロハラハラしながら、あるいは腹をたてながらなんとか姑の意に沿うよう努力奮闘する、というストーリーであろうと思う。そんなことはわかってますってば。もうじめじめした愚痴っぽい話しは聞きたくもないのだ。

 しかし待てよ。今までにこういった極めて家庭的な題材で書かれた作品を読んだことがあっただろうか。ノンだ。数年前のことだけれど、著名人と言われる人々が寄稿した『嫁姑論』というのを読んだことがある。さぁて先生たちはどんなことを書いているのか、私は喜び勇んで読みだした。ところがそこには通りいっぺんなこと、大昔からの家庭制度の変遷だとかどうでもよいことしか書かれていなかった。「あなたのおうちではどうですか?」と聞きたいのに。

 それは仕方のないことではあろう。先生がたにも大事に守っていたい家庭があるのだ。本気でまじめに嫁姑論など書いたらその先生のうちは一瞬にして崩壊するであろう。それほど家庭内のことはデリケートで壊れやすいのだ。だから誰も手を出しにくいテーマであろうと思う。

 それなのに、この著者は勇気をもってこの本を書き上げたのだ。 ではありがたく頂いていくことにするか。なんてったてタダなのだ。読む気になれないときはまた、そっと返せばいいのだ。

 で私はその本を持ち帰り本棚に並べた。(背表紙はあちら側にむけて) そしてやっとこのたびその本を読んだ。いや~おもしろかったです。息もつかせぬおもしろさ。ヨメの心理というものをこんなに深くあからさまに、そしていさぎよく書いたものに出会ったのは初めてであった。

 “おもしろいことに、愚痴でさえ、表現が下手だとうんざりする話になるが、整理がいいと芸術になり得る   曾野綾子 ”

 そうでした。ほんとうに整理のいいお話で、たいした文学作品だったのでした。つづく

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嫁と姑」カテゴリの記事

コメント

息子たちがまだ家にいた頃、野球が熱戦を繰り広げているというのに、
二人とも嫁姑のドラマに夢中で、何ともなげかわしく思ったものでした。
私はもううんざりで、たっぷり嫌味を言った記憶があります。
野球好きの夫もそのドラマだけは、毎週熱心にみておりました。
たった10年しか同居していなくて、なぎささんのような達人の境地には
程遠い私ですが、とても読みたくなりました。
愚痴も芸術になるのですね!!

投稿: しまうま | 2009年7月29日 (水) 23時08分

はじめまして。こんにちは。
便利屋さんの所のコメントがとても面白くて
思わずお邪魔してしまいました。
そうしたらとっても興味深いお話しが・・・

私も嫁です。あ、同居はしていないので偉そうなことは言えないのですが・・・。(^^;)
この本、是非読んでみたいです。
ありがとうございました。

投稿:  ジャスミン | 2009年7月30日 (木) 10時13分

しまうま様

おひさしゅうございまーす。
十年も同居なさったのでしたら、わたくしから
修了書をさしあげましょうかー?

嫁姑の関係は人間関係のうちのひとつではありますが
あいだに夫というヒトが立っていることもありまして
なかなか難しいところがありますねー^^

嫁姑のカテゴリーの中に、ほかにもいくつか、
書いておりますので、お暇だったら読んでくださいませね。

投稿: なぎさ | 2009年7月30日 (木) 19時55分

ジャスミン様

はじめましてー。
読んでくださってありがとうございます。

便利やさんのところは唯一、わたくしがごあいさつに
行くところなんですよー。パンチの効いた
お話がとても楽しいですよねー。

私は、ほかのかたのうるわしいブログのように
生活臭のない、所帯やつれしてない記事を書きたいと
念願しているのですが、おもうようにいかないのですよー。

こんな私ですがどうぞよろしくー^^

投稿: なぎさ | 2009年7月30日 (木) 20時03分

元気そうで何より!
正月には帰ります!

投稿: はる | 2009年8月 3日 (月) 07時47分

オッ!
それはメッケモンでしたね。
私も嫁姑問題のようなジメついたことは苦手です。
それに間に挟まれてオロオロしてる旦那はもっと嫌いです。
結婚するってことは親から離れて自立するってことなんですから、
夫は100%嫁さん側について助けるべきですよね。
どんな事からも誰からも嫁さんを守るのが、
夫の一番大切な責任だと思いますよ。

投稿: パンチ便利屋 | 2009年8月 4日 (火) 12時39分

読みました!!
本当によく整理された、読後感のさわやかな
いいお話でした。
世代の近い母に読ませたくてたまりませんが、
お嫁さんにも薦めそうで...。
嫁から嫁はありでも、現役の姑から嫁、嫁から姑は、
躊躇しますね。
客観的には誰にでも読んでもらいたい本です。

投稿: しまうま | 2009年8月 4日 (火) 21時59分

はるちゃーん!

まぁそう言わずにお盆も帰っていらっしゃいませ。
ご先祖さまが、あの子の姿が見えないぞー、
と言われますよ^^

投稿: なぎさ | 2009年8月 5日 (水) 08時45分

便利やさま

そ!そうですよー。優先順位一位ははよめはんですぞ。

けれどねー、ほら、あそこのうちでも、あらゆる事から「全力で守ります」と言われたけれど、“家”の重圧には耐えられないみたいですねー。

投稿: なぎさ | 2009年8月 5日 (水) 08時49分

しまうま様

あら、もう読まれたのですねー。
とてもテンポが速くておもしろかったでしょ。

誤解を招かないようだったら、誰にでも
オススメしたいところですが、、、。

投稿: なぎさ | 2009年8月 5日 (水) 20時51分

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