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オクサマ!といわれたものだから

_007_8 この前のごみ出しの日の私の格好といったら、かなりの見ものだった。エプロン着た腕にはアームカバーをかけ、ゴムの手袋、頭にはヨレヨレの帽子、長靴は自分のが見当たらなかったのでオットのをブカブカと履いていた。右手にはこれ以上ムリ、というくらい詰め込んだゴミ袋、左手にはデッキブラシとジョウロ。

ゴミを出したら返す刀で、カラスが空から落としたものをデッキブラシでこすり水をザーザーと流し、そのあと可愛いいとしのチューリップちゃんにやさしく水をかけてやるつもりだったのだ。

そして表に出たところで見知らぬ男の人に「オクサマ!」と声をかけられた。こんないでたちしているところに「オクサマ!」と言われても、と一瞬思ったけれども一応「ハイ」と答えた。

その人は言った。「あちらで商品の説明をしておりますので、よかったら、、、」 あちらを見たらご近所のオバサマ達がこちらを見てニコニコしながらオイデオイデをしているのだった。あら、なんか面白いことあるのかしら?

で、デッキブラシをそのへんに立てかけ、ゴミをゴミ置き場に放り込むとあちらへ行った。するとすぐにもう一人の男の人から、ビニールの袋に入った3点セットを渡された。ティッシュ1箱、ふきん1枚、ラップ。どうしてこんなにタダで物を呉れるのかしら、と思いながらもオバサマ達とおしゃべりしていると、ほかの隣組のオバサマ達もぞくぞくと集められてきた。

それからすぐ近くの倉庫に案内されると、そこには小人さんが座るような小さな椅子が5列縦隊で並べられていた。なんだかミニ劇場のハジマリハジマリって感じねー。

年配の男の人が前に立つと面白くおかしく話をした。それはまるであの綾小路○麻呂を思い出させるようなお話で私達はアハハーなんて笑っていたのだった。しばらくしてその人はおもむろに入浴剤を手にすると言った。「みなさーん!、これが欲しい人は大きな声でハーイと言って手を挙げてくださいねー!」

その時初めて私は、これから何が行われようとしているかわかったのであった。私は小人さんの椅子から急ぎ立ち上がると、その辺に立っていた男の人に言った。「ゴ、ゴメンナサイネ、ワ、ワタシネ、ジュ、ジュウジに約束があるんですッ」 

十時に約束があるのはほんとうだった。だからずっと時間を気にしていたのだけれど、話があまりに面白かったものだから立ち去り難かったのだった。

走って家に帰りふと手許を見たら、しっかり3点セットを持っていた。デッキブラシとジョウロは後で、何時間もたってから、もうみんな帰ったよねー、と思われる頃、そおーっと取りに行ったのだった。おしまい。

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ドジなわたし」カテゴリの記事

コメント

それって今問題になってる催眠商法じゃないですか!
お友達は被害に遭わなかったのかな?
インチキ羽毛布団とかをかなり高額に買わせるらしいですね

投稿: 便利屋 | 2007年2月21日 (水) 19時26分

なぎさ様
良かった、帰れて。
この商法で集団の中に入れられると、気が付いて帰ろうとしても帰れない状況になっちゃうこともあるのですって。

催眠商法、二人三脚商法、振り込めサギ・・・これからの歳寄りは、昔のようにのんびりお茶なんぞ飲んで、ポケーッと日向ぼっこしては居られないのです。

周囲の情報にアンテナを巡らし、騙されないように、長生きしましょう。

投稿: ばら色婆ァバ | 2007年2月21日 (水) 20時04分

>しっかり3点セットを持っていた。


それは良かった(笑)
しっかり使いましょう!(笑)

投稿: かんころ | 2007年2月21日 (水) 23時20分

上手に逃げ出せて良かったですね!
3点セット持ち逃げ この勝負はなぎさ様の勝ち!
それにしても、この後どうなったか、、、高値で何か買わされた人幾人もいたんじゃかいかな??
後日談をよろしく
ナベショーは毎日家でごろごろしてると、投資の勧誘電話や訪問販売やモノミノトウの宗教の勧誘が頻繁、、、、彼らのお相手して暇つぶしして、「オッ、大事な約束忘れてた ガチャン!」とか「アンタも熱心だね~、家の中めちゃくちゃじゃないの?」とか「家族は? そう、子供さん3人?、リストラにあったの、可哀想、、まあ頑張りんさい!とかいって最後は追い返す、、
楽しいね~ 3点セット持ち逃げはないけどね~

投稿: ナベショー | 2007年2月22日 (木) 07時24分

便利屋さま

あれから近所の方たちと会うのですが、おはようございま~す!と元気よく言ったら、もうそれまでにしています。

というのは、その倉庫を貸した人も近くにいるので、あまりややこしいこと、いえないのですね。

投稿: なぎさ | 2007年2月22日 (木) 09時07分

ばーば様
この頃、聞いた話ですが、、、。高額のリフォーム代で契約してしまったおばあさんがいるのです。それに気づいた近所の人達が、クリーンオフするように手続きをしてあげよう、としたのですが、そのおばあさんは応じなかったそうです。

優しく親切にしてもらって、話も沢山聞いてもらったから、それでいいのだと。遠くに住む息子さんも同意したのだそうです。

やさしさにはお互い、弱いですよね~~!

投稿: なぎさ | 2007年2月22日 (木) 09時13分

かんころ様

そうそう、どれも必需品で有難かったですわ~!
これはあの時のね、とその度に感動して、使わせていただいておりますよ^^

投稿: なぎさ | 2007年2月22日 (木) 09時18分

ナベショーさま

あれからその話題は避けているのですが、あとで聞いたことによると、夕方には別の場所で、「ハイハイ」のにぎやかな声が聞こえていたそうです。

軽妙な語り口がすばらしいんですよねー。忘れられません(^^♪
もうちょっとヒマになったら、この私も楽しみにして出かけていくかもしれませんね!

投稿: なぎさ | 2007年2月22日 (木) 09時27分

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