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不意の客

何月何日に遊びにきます、、、なんて言われると私は困ってしまうのである。その日がくるまで、掃除のこととか、テーブルに並べるもののこととか考えると心穏やかに過ごせなくなってしまうからである。

その点、不意の客ならダイジョウブ。さぁ、どうぞどうぞ、散らかしておりましてぇ~、今までマゴが遊んでおりましたものですから~、とか何とか言いながら、さて何を供したらよいものかとめまぐるしく考える。

不意の客といえば、友達の S が話していたことが忘れられない。S がまだ社宅に住んでいた頃、正月であったので着物など着ていたが、夕方になっていささか着物にも飽きてきたので、洋服に着替えることにした。脱ぎ終わったばかりのとき、夫が友人を連れて帰ってきたのであった。

S は着物やら帯やら襦袢やら、とりどりの紐などを大急ぎでクルクルと巻き団子にすると、押入れのふすまを開けるや、上段のふとんの上にエイヤッと置いた。それからにこやかにドアを開け、招じ入れたのであった。

酒肴の用意などしているうちに、どうしても押入れの下段に置いて入る物が必要になったので、押入れのふすまを開けた。すると着物その他一式の団子がなだれのごとくに転がり落ちてきて、畳の上は満艦飾になったのであった。

夫とその友人ははじめはクックッと肩を震わせて笑わないでいようとつとめていたが、そのうち大きな口をあけてワッハッハーと笑いだしたということだった。  (この話、おもしろかったかしら?)

先ほど、不意の客ならOKよ、と言ったけれど、じつはそれも苦手なのである。たった今思い出したことなのだが、その昔、オットがまだ若い頃には、よく人を連れて帰ってきたものである。すると私は、“あそこのうちの奥さんはよくデキタ人だね~、感じいいよね~、嫌な顔ひとつしないね~”なーんて言われたいがために誠心誠意もてなしたものである。(冷凍冷蔵庫にあるもの惜しみなく並べ立てたもんである。)

それから、客人がお帰り遊ばす時にはにこやかに「またいつでもどうぞ~」なんて愛想良くしておった。けれどその後、オットの方を振り向いて言ったものである。「モオッ、私に断りもなく、人を連れてこないでよねッ、私にだって予定があるのよッ」

予定といっても、風呂に入って寝る、くらいの予定しかなくてもそう言ったのであった。ほーんとに私って昔は悪妻だったみたいね、今もそうだけど。

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夫と妻」カテゴリの記事

コメント

不意の来客、とくに夫が夜半に若い部下をゾロッと引き連れて、ご機嫌で帰宅あそばした時の妻・・・そのまま私です。
だから、どこに転勤しても、夫は「出来た奥さんで、あやかりたい」人でいられたようです。
実はね、若い部下たちの中には“イケメン”もいたわけで、彼らにチヤホヤされることは、私としても気分は悪くは無くて・・・ね。
ただ、ケンモホロロに追い返して、もう来ないようにしていれば、評判は良くなくても貯金は出来たかと思います。

投稿: ばら色婆ァバ | 2007年1月26日 (金) 09時12分

ばーば様
わかいイケメンなんぞ、残念ながらうちには来ませんでした。
もし来ていたら、、、破産してたかも~~!

あそこのうちへ行ったって楽しくない、と思えば誰も寄り付きませんよね!ばーば様の手料理、さぞ喜ばれたことでしょう。

投稿: なぎさ | 2007年1月26日 (金) 10時43分

会社の上司、是非寄っていけとしつこく誘われて、帰りたいのに仕方なく、夜半に不意に、上司に連れられての玄関先、、先に家に入った上司、中でもめてるらしくなかなか出てこない、、、
同僚同士、顔見合わせて、おい!どうしょう?不味いことになってるよ~ 帰ろうよ、、、
やっと出てきて、アイソ笑いの奥様、、、まだ顔がこわばってるよ、、
本当は、世界で一番美しい恋女房を見せびらかしたかったのだ!


投稿: ナベショー | 2007年1月26日 (金) 10時59分

夜半に来る客はすでに出来上がってるのでしょうから、お茶漬け、漬物プラスサムシングでいいのですから、愛想よくもてなせばいいのですけどねー。

あまり愛想よくしてると、夫がのぼせて(!)頻繁に連れてくるようになるからな~。

「連れてきてもいいかい?」と恐るおそる電話をしてきただんなさまが、今思えばかわいそうでしたね~。「ダメーッ」、、、恋女房のはずが鬼か蛇かヤマンバか、、、。連れられて行く方も大変だった、ということですね!

投稿: なぎさ | 2007年1月26日 (金) 12時21分

我が家に連れて来られたのは、殆どが未婚者か単身赴任者です。
夜半と言っても、残業が多かった時代なので、飲みだした途端に“看板で~す”と追い出されて、飲み足りないのと家庭料理が食べたいのとで、自発的にくっ付いて来ていたようです。
何しろ、夫より先に「ただいま~ッ」と言って入ってくるのですからね。
各地に転勤していた時代は、勘で「今夜は来るぞ」と思った日は、家族人数の倍近い量の料理を作っていましたよ。
何年もこうしてきたのですから、もうそろそろ楽をさせて欲しいものです。

投稿: ばら色婆ァバ | 2007年1月26日 (金) 14時20分

ばーば様

今夜はくるぞ! と勘が当たるなんてすごいですね!

若いもんに食事を食べさせるなんて、さぞ大変だったことだと思います。誰にでも出来ることではありませんよね。ばーば様なればこそ、出来たことだと思います。

ラクをするためには、「今日から一汁一菜です!」と宣言してみたらどうでしょう?

投稿: なぎさ | 2007年1月26日 (金) 21時04分

ブハハハ!
いやいや充分面白いっす~!
お客さんが来ても全然平気な人っていますよね
私には信じられません
カミさんも来客大嫌いです
あ、だから二人とも友達がいないんですね(^^;

投稿: 便利屋 | 2007年1月28日 (日) 17時34分

便利屋さま

お客って、身も心も経済的な負担もおおきいですからね~。
愛想良くしているのは至難の業ですね。

けれど喜んでもらえると嬉しいものでして。

便利屋さまはブログ友達が沢山いらっしゃるから、寂しいことって
ないでしょうね!

投稿: なぎさ | 2007年1月29日 (月) 22時40分

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