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血はカオルのか?

ずっと前のことだけど、テレビで料理番組を見ていたら、板前さんが、カツオを捌きながら言った。「こういう血のカオリのするものはですね~。」 オイオイ、血はカオルのかい?と私は言いたくなった。まぁ、料理人さんはテレビカメラの前で舞い上がっているのかもしれないから、ユルシテあげよう。

しかし、そばに立っているアナウンサーが、いつもいつも鍋の中で煮え立ってきたものを見て「あっ、いいカオリがしてきましたね~。」というのは感心しない。ふつう、いい匂いがしてきました、と言うんじゃないかなー。

それからある時、誰か知らないけれど若い女のタレントが、タラバガニを大きな口の中に放り込みながら言った。「わぁ~っ、甘くていいカオリ~ィ」  あらあら、このごろじゃぁ、タラバガニもカオルのね。

テレビを見てると、誰も彼も、カオリ、カオリというもんだから、嫌になってラジオを聴いていた。するとホラキタ、DJの女が言った。「私って、糠みそのカオリが大好きなんです~!」(誰もあなたの嗜好など聞いてません!)

どうしてこうみんな、カオル、とか カオリと言って、匂う、匂い、と言わなくなってしまったんでしょう。カオル、カオリの方が、匂う、匂いという言葉より、ずっと上品で美しい言葉だと思うようになったのかな。

私の感覚では匂い、匂う、の守備範囲はかなり広いのでたいていの場合使える。けれど香り、香るの使用範囲はかなり限定される、と思うのですね。だから注意深く使わないといけないんじゃないかしら。

言葉というものは世につれ、人につれ、その使い方も意味合いも、移り行くものだということは、私にだってわかっておる。けれど匂い、匂う、と言う美しい言葉が 「21世紀初頭まで使われておりました」 ということになれば悲しい。

それにしても‘匂う’という言葉、とってもいい言葉だと思う。ほら、あの有名なあの曲 「夏は来ぬ」にあるでしょう。

♪卯の花の匂う垣根に  ほととぎす  早やもきなきて…                  

この歌詞の‘匂う’ にはそこはかとなく立ち込める卯の花の匂いが、ふんわりと包み込んでくれるような優しさが感じられると思うのですねー。これは‘香る’ではどうしても代用できないと、おもうんですけど。(なぎさの遠吠えみたいに聞こえたかなー。)

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言葉って」カテゴリの記事

コメント

なぎささま
「血のかおり」、、、ね~
「血の臭い」とは言うけど、、、
「臭う」は悪いにおいの場合使うから、良いにおいの場合使う「匂う」と同じ発音なので、混同しやすい。
だから、混同されないために、「香る」を使う、、、、、
最近の若い者が、そこまで意識して言葉を使い分けてるかな~?
否、悪いにおいの臭うは知ってるが、良いにおいの匂うという字、言葉を知らないのでしょう。

なぎさ様、、ナベショーも同じだけど、匂うという字を知ってるのは、若くないということか、、???

ナベショーも、これからはTV、ラジオで「おや? いいカオリがしますね! 誰かおならをしましたか?」って言うかどうか、注意して聞いてましょう!
この場合は、わざとカオリって言うか、、、

投稿: ナベショー | 2006年8月26日 (土) 06時41分

本当に、言葉の使い方が平坦になり、語彙・語意が不明になりましたね。
さらに、イントネーションが変!。
ハンドバックに広い街(マチ)が付いていたり、今夜は飴(雨)が降るって、集めるために傘を持つ?・・・箸から子供を突き落とし(たって死なないよ)、この煎餅は傘(嵩)が多くてお得?。
ある著名な料理人がTV番組で、いつも「ぬまり(ぬめり)を取る」と言うのも、どこかの方言にしても、全国放送では通じないでしょ。

投稿: ばら色婆ァバ | 2006年8月26日 (土) 08時21分

鰹の話ですけど、多分、血合いの事だと思います。
鰹とか、南国の青ブダい、などは、血合いの 部分が多く、血合いだけをたたきにして、食べる事がありますね それが,美味いのです      ほんとに,多分,地元の漁師料理だと,思うけど、うまいです。
普通、血合いは、捨てる事が、多いけど、鰹、青ブダイ、に限り、血合いの、たたきは、良い血合いの、匂いがして,おいしいですよ。
ちなみに,ナベ賞賛の,言われると売り,良いにおい,の時は,匂いで,悪いにおいのときは、臭いですね。

投稿: 石鯛君 | 2006年8月26日 (土) 09時18分

ナベショーさま

これから注意して聞いてみてくださいませ。あ、ウ○コのかおりだー!とは言わないと思いますけど。

匂い、と臭いの区別をわたしははっきりとはしていなかったのに気づきました。ヤツはちょっとくさいぞー、と言うときは 臭い ですね!

投稿: なぎさ | 2006年8月26日 (土) 12時08分

ばーばさま

こうしてブログを書くようになって、私も自分のボキャの貧困さを思い知らされ、人知れず悲しい思いをしております。

今まで辞書など引くことなどなかったのに、今ではいろいろ動員しながら書いておりますが、もともとの教養がお粗末なものですからお恥ずかしい限りです。

投稿: なぎさ | 2006年8月26日 (土) 12時13分

確かに!!!
テレビ等で、最近なんでも「香り」って言ってる気がしますね。
やっぱり「お上品」って感覚があるからでしょうか。
匂い・臭い・香り・・・・・。
言葉に合った使い方しないと、な~んか変ですよね。
違和感を感じると言うか。

投稿: のんすけ | 2006年8月26日 (土) 12時20分

石鯛君さま

ほんとうに漁師さんはこっそりおいしいところを食べてることでしょう。
皆が捨てているのを見て、アホか!と思ってるでしょうね。

話は変わりますが、先日、チェジュ島沖でとれたアジ、サバを塩したもの頂きましたが、それはそれは、おいしくて、ご飯3杯くらいはかる~く、、、こんなに食べてはいけませんね。

さばいたら、ザザーッと海水で洗い荒塩を打ち、潮風に当てる…のだそうです。おいしくならない訳がありませんね(^^)v

投稿: なぎさ | 2006年8月26日 (土) 12時23分

のんすけさま

気づいていらっしゃいましたか?有難うございます、同志を得たり!と言う気分です。とくに若い子がなんでもかんでもカオリ、カオリというものですから、ずっと気になっておりました。

投稿: なぎさ | 2006年8月26日 (土) 12時29分

こんにちわー
フランス料理やワインでは「かおり」は良く使いますねー
その方が美味しそうに感じるからでしょう。
でもあらためてなぎささんの文章を見ると、、、
早速私も今日のブログはかおりを使ってしまいました。
言葉は難しいですね!

投稿: KIMURA M子 | 2006年8月26日 (土) 16時42分

M子さま

ふらんす料理には、かぐわしき香り、香るがふさわしいかもしれませんねー。

札幌のお店にいつの日か夫君のシェフの料理を食べに行けるような、そんな日がくるかな~。

投稿: なぎさ | 2006年8月26日 (土) 20時44分

数年前に、東京ではかおりといい、地方ではにおいというと聞いたことがあり、方言みたいなものなのかな~と思っていました。

投稿: さと | 2006年8月30日 (水) 15時02分

さと様

方言説もあるのですね!
これから注意して聞いてみましょう。

投稿: なぎさ | 2006年8月31日 (木) 08時28分

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